JR北海道で事故が続きます。今、私は、JR東日本を相手に外注化=出向を争う裁判の
代理人を担当しており、それに関連して以下のような雑誌用の原稿を書きました。
「・・・そもそも、何故、被告は、原告らを在籍出向させるのか。何故、被告の従業員ではなく出向先の会社の従業員としなければならないのか。それは、資本にとっての「合理化」=すなわちコスト削減・効率化が理由とされている。
国鉄は「分割民営化」し、さらには、子会社に「業務委託・外注化」し、鉄道という社会の根幹をなす業務は、細分化して、「分業」の極地に追い込まれている。これが新自由主義による「合理化」であり、労働者の団結を妨げ、資本にとって都合良く「流動化」させることにより、資本の利益のみを追求するものである。
結果、鉄道運輸においては、ダイヤ等一元管理が不可欠であるにも関わらず、指揮系統も寸断され、運行の安全性が脅かされている。JR北海道の相次ぐ事故、スペインの列車事故など端的な表れだ。一元化されていない指揮系統の下では、安全性を確保することは出来ない。これは現場で働く労働者にとっても、乗客にとっても本質的な「不利益」である。
そして、施設の整備・保有と運用の主体(会社)をも分離する、いわゆる「上下分離方式」により責任まで分離されてしまう。これにより、さらに、どこが安全性についての責任を持つのかもわからないような無責任体制が構築されようとしているのである。・・・」
JR北海道の従業員は民営化前の二分の一になり、特急の本数は二倍になったそうです。