「自己実現ではなく、社会実現」という発想 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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去年読んだ本の中で、抜群に面白かったのが坂口恭平さんの『独立国家のつくりかた』。貨幣や所有に対する根本的疑問という、古くて新しい発想や、都市のレイヤーという捉え方、そして、ご本人の生き方、語り口など、自由奔放なイメージなのですが、面白いなと思ったのは、彼が「自分のやりたいことなどどうでもいい」と書いているところです。すなわち、「やりたいことは無視して、自分がやらないと誰がやる、ということをやらないといけない」、「自己実現するのではなく、社会実現に向かっていく」というくだり。

 自由に見える人がそう言っているのが、とても共感します。まあ、私を含め、誰でも放っておいてもやりたいことはやるしね。少なくともやろうとはする。

 私が子どもの頃は、一般にも「偉くなれ」って謂われていたような気がするし、その「偉い」という意味は「世の中の人々の役に立つ」という意味だったと思います。
 
 けど、新自由主義的教育が蔓延したためか、自己実現とか、個人の欲求を追求することがよし、とするような「個人主義」の時代。これ自体、支配に都合のいい、反・連帯、反・団結の思想だと思いますが、案外、蔓延しているなあ。

 自己実現ではなく、社会実現・・・要は、「人にやさしく」ということなのかもしれませんが、「余裕」がないとなかなかねえ。自分や家族のことでいっぱいいっぱいで・・。

 ということで、なんとか余裕=考える時間を持たないと、私たちはバラバラのまま、いいようにされてしまうと思います。がんばらないとね♪$御苑のベンゴシ 森川文人のブログ