横浜事件というのは戦中の治安維持法違反事件であり、国家が体制に不利な思想を危険思想として弾圧した事件です。ある旅館での打ち上げ宴会が、そのまま「共産党再建会議」のようにでっち上げられて、逮捕され、拷問により自白を迫られ、あげく終戦直後の混乱期に、あっという間に有罪判決を出されてしまった事件です。
様々な問題点を含む、忘れてはならない事件なのですが、今、もっとも重視しているのは、当時の司法、裁判所が駐留軍が来る前に、横浜事件等の治安維持法事件に関する記録・判決等を焼却処分していた、という点です。
つまり司法による組織的な証拠隠蔽です。そして、その背景には、治安維持法による弾圧のようなことを加担することがよくないこと=後に責任を問われることである、ということを、当時の司法当局もよくわかっていた、という事実。
横浜事件の再審は1986年に申し立てられましたが、当初は、判決がないから再審申立ての要件を満たさない、として裁判所は再審を認めませんでした。
自ら証拠を隠蔽しておきながら!
国家権力というのは、今も昔も本質的には変わってません。責任は取ろうとしません。
被告人も弁護団も、多くの方が亡くなってしまいました(父も含め)。徹底的に追及したいと思います。
