戦前の弁護士 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 戦前の弁護士が1980年に当時の自分を振り返り、以下のように述懐しています。
「当時の私の法律嫌いを善く解すると、法律万能主義では社会の進歩はすすめられず、法律家はとかく現状維持、擁護になってゆくことに対する反撥であり、要するに法律では革命も変革も出来ないという信念であったと思われる。」
「27歳の独身の身軽な私には、人並みの市民生活などへの志向は全くなく、ひたすら社会革新の政治活動の情熱と、現地中国でみた日本人の中国人に対する不正への反抗心に燃えていた。・・・いわば無鉄砲の政治青年であった私が、戦後の今日までよくも生き延びたものとつくづく人生の偶然を感じる。」(『昭和人権史への証言』1980年)

 と、これは、2006年に93歳で亡くなった父森川金寿の話です。戦後まで生き延びた「偶然」により、私も存在するわけですが(笑)、まあ、父もあんまり弁護士らしくないといえば、なかったのでしょうかね。

 その後、父は大陸に渡り、戦争が始まり、帰ってきたのは戦後でした。
 結局、私が弁護士になってから、家永教科書検定裁判、横田基地騒音公害訴訟、横浜事件第3次再審は、一緒にやりました。

 今も、同じようなきな臭さのある時代ですが、歴史を学び、歴史を繰り返さないようにしなければ、と思います。

 写真は、ブルースオズボーンさんに撮ってもらい、『TOKYO JOURNAL』
という雑誌に掲載されたときのもの。
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