すごい話題ですよね。インサイトとプリウス。
うちの近所の奥様も新型プリウスの試乗をして、「未来の車!音が全然しなくてスムーズなの!」
ってものすごい興奮ですよ!あんまり運転されない方なのに数日後には
「買っちゃったわ。ハアハア。なんかボタンがいっぱいあって、運転の仕方がわからないから、納車の日には、営業のお兄さんにウチまで一緒に乗ってきてもらうの。若い人に。」
・・・・たぶん、ポイントは新型プリウスじゃなくて、「若くてかっこいい営業マン」さんだったんだな。
やるなあ。プリウス。じゃなくて、トヨタ。奥様もイチコロだ。
さて、そんな新型プリウスが発表される前に2日間にわたって借りたHondaインサイトが今回の主役です。
新型プリウスがレンタカーで借りられるようになるのは・・・・たぶんすっごく先の話でしょうからねえ(遠い目)
ま、その奥様のお話とかを聞いていると、どうやら両社の営業の最前線は舌鋒鋭く行動されているそうです。
なんか久々に元気がいい話で、まあ、うれしいですけどね。
先に宣言しておきましょう。
「インサイトとプリウスどっちがすごい?」という内容の記事は書きません。
みんな優劣をつけたがる(日本人の特性?)みたいだけど、私は「どっちも乗ってみて決めてください。
自分の感性にあっているかどうかは、高速道路を巡航したら、一発でわかるはずだ」
とだけ宣言しておきます。
ま、私の経験値としての「
2代目プリウスと新型インサイト」を比べることはしますけどね。
車本体の話に入る前に「私が感心したこと」を書いておきます。
インサイトは、「200万円を切った価格」がすごく評価されていますが、これは先に「200万円を切ることがありき。じゃ、いったい年間何台売ればいいんだ?」という考え方でスタートしていると思います。
「200万円を切る?いったい何台出るの?出なかったら誰が責任とるの?」
という考え方をしなかったからこそ、世の中に出てこれたんだと思います。
健全ですね。すごく。ホッとしています。ここ数年のHondaF1を観ていて、「ネクタイ締めたサラリーマンの集団に成り下がったな」と危惧していたので。
それに対してのトヨタもすごいと思います。
大きな声でHondaが「200万円を切るハイブリッドカーを市場に投入する」って言い出しても、しば~らくの間、トヨタは無反応でしたもんね。「3代目プリウスは、高価格車になる。」って宣言しておいて、しばらく静観。
「どうするんだろう?確かに”ハイブリッドカーらしさはプリウスに分がある”って宣伝するつもりだろうけど・・・”いいものを作ったら売れる”時代じゃないぞ。このままじゃ負ける。」
ちゃんと軌道修正してきましたもんね。数ヶ月のうちに。
もう、当初のコスト計算書なんて吹っ飛んじゃってると思うけど。
トヨタを「巨艦」「物まねのつまらない車を作る会社」って今も言う人がいるみたいだけど、全くそんなことはないと思います。
事実、今回も「状況の変化に合わせ込んできた」し、
ポルテに代表されるけど「一番最初に提案してみる」会社だと思います。特にここ10年のトヨタは。
「勝てるわけないよなあ」って思わされます。
それでもこの小さな国に乗用車メーカーが8社も存在しているんですもんね。
さて、前置きが長くなりましたが、「インサイト」そのもののお話を始めましょう。
端的に言うと「こんなにスムーズに走ることができるハイブリッドカーは初めて」です。
新型インサイト。
Hondaのハイブリッドシステムの特徴を良く表していると思います。
ほんとに「ギクシャクしない」ハイブリッドになりました。
civicハイブリッドよりも確実に進化している。
荷物もたくさん積むことができます。
後ろのシートを倒さなくても、フルサイズのゴルフバックが2つ余裕で入ります。たぶん、3つも・・・
可能だと思います。
シビックハイブリッドに比べて、「特別な車なんだ」という演出がされているのもうれしかったです。
それは、「インパネデザイン」
だって・・・シビックハイブリッドってあまりに普通の車なんですよ。「ほんとにこれ、ハイブリッドなの?ちゃんとモーター使ってるってどこで表示してるの?」
って感じ。
プリウスのあの「今、パッテリーで走ってるよ~!イエ~イ!」って分かりやすいインフォメーションシステムに比べるとあんまりにも普通の車。
今度のインサイトは、ちゃ~んと「ハイブリッドが働いてるよ~」ってわかるようになっています。左側の表示計が。
それと、上部につき出ている速度計が、視線変更が少なく見やすくてすごくいいです。
荷物がたくさん積めるのはいいのですが、後席は・・・
旧型プリウスもそうだったのですが、身長170cmの男性が座ると「リアウインドーがヘッドレスト」になります。
非常に不機嫌になります。この後席に長く座っていたいと思う男性は少ないと思います。
リヤウインドーというと、このインサイトには「リヤウインドー用ワイパー」が装備されていなかったんです。
最初は、「まずいんじゃないかなあ。雨の日にバックがしにくいぞ。きっと」って思っていました。
ちょうど借りた翌日が雨になったんですよ。全然問題なかったですね。リヤウインドーワイパーがなくても。
それよりも、車体の端の部分があの「CR-X」のようにガラスになっていたおかげで、すごくバックが楽にできます。ラクチンラクチン。
燃費は21.5km/litterでした。
この車両には、「ECOモード」スイッチがあるのですが、高速道路では自然と切って走っていました。
ECOモードだとちょっとトルクが足りない・・・と言うか、かったるく感じてしまったもので。
かといって、CVTをSモードに入れてしまうと1000rpmほど常に上の回転を使うようになって、うるさく感じますし。
ま、普通に走らせた結果です。全開時間も相当長くとりましたが、スピードメーターフルスケールまでは出ません。
ブレーキは、「本当に強く踏んだときにだけ」回生による違和感を感じるだけです。
旧型プリウスやシビックハイブリッドに比べると全然自然です。
この車両は・・・ダートトライアル競技で活躍できないですかねえ・・・
すごいんですよ。交差点で止まっているときに信号が変わって走り出しますよね。
その時に「ほんのわずかにアクセルに触れるだけ」でいいんです。
スウって加速を開始してくれます。
「Hondaのハイブリッドは、あくまでもエンジンを補助するシステム」なんだということを実感する瞬間です。
すごく楽に運転ができます。
ダートトライアルの路面μが低いところでの加速にものすごく助けになると思うんですよね。
「荷物をたくさん積むことができるハイブリッドカー」
の引き換えにバッテリーが小さいのか信号待ちでは、あんまりアイドリングストップをしてくれません。
なんかここら辺は・・・「もうちょっと何とかならんのか?」って感じです。
でも、やっぱりすごいですよ。ハイブリッドカーって。
みんな「技術の永遠の進歩」に味をしめてしまった。
もう、戻ることはできない。
強烈な選別が始まると思います。
「ハイブリットカーを持っているか、持っていないか」
持っていない会社は排除される。
初代プリウス&インサイトから10年という時間が渡されて、その間について来たのはスズキのみ。
彼らはすぐに「自分たちに足りないもの」に気がついて、さっさと賢明な判断をした。
この10年、自動車業界はそのほとんどの会社が空前の利益を上げた。
利益を上げて・・・なにをした?
今、ハイブリッドカーを持っていない会社は、「挑戦することができなった会社。変わることができなかった会社」
株式市場ではなく、顧客が猛烈な選別を開始した。
「ハイブリッドカーを持っていない会社は生き残れない」
手早く処置をしようとするならば、電気自動車になる。
電機業界ときちんと手を組めるかどうか・・・
我々電機業界は、「自動車会社の下請け」にはならない。
これまでのシステムLSIとかであれば、「自動車業界の下請け」だっただろうけどね。
タイヤ業界と同じく「言うことを聞かないサプライヤー」の登場。
化学の世界=「ニッポンが世界に誇るバッテリー技術」を電機業界はみすみす他業界や他の地域に生産拠点を移したりして流出はさせない。
「ものが売れない時代にどうすればいいか」
オンリーワンで生き残るんだって事を、このインサイトやプリウスは、街の奥様にすら簡単に分かりやすい形で示してくれた。
日本の製造業の未来がこの2つの車には暗示されていると思います。
あ、そうそう。
「燃料電池車による未来」は来ません。
あんな「貴金属鉱山」を街中に走らせるの?
それも、「原油から抽出した水素」で?間違った未来だな。それ。
「電機業界に牛耳られたくない」って気持ちはわからんでもないけど。
それよりも、「バッテリー+モーター」の方が、全然部品点数が少ないぞ。