問ふ、法華経は何(いず)れの品(ほん)、何れの文(もん)にか正(まさ)しく当体・譬喩(ひゆ)の蓮華を説き分けたるや。答ふ、若(も)し三周の声聞に約して之(これ)を論ぜば、方便の一品(いっぽん)は皆是(みなこれ)当体蓮華を説けるなり。譬喩品(ひゆほん)・化城喩品(けじょうゆほん)には譬喩蓮華を説きしなり。但(ただ)し方便品(ほうべんぽん)にも譬喩蓮華 無きに非(あら)ず。余品(よほん)にも当体蓮華 無きに非ざるなり。
(平成新編0696・御書全集0514・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1019・昭和定本[1]0761)
[文永10(1273)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[秘・国主信心あらんの後始めて之を申すべき秘蔵の法門(『当体義抄送状』)]
[※sasameyuki※]