『兵衛志殿御返事』(佐後)[真跡(断片)] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 銭(ぜに)六貫文の内[一貫 次郎よりの分]、白厚綿(あつわた)の小袖(こそで)一領(りょう)、四季に わたりて財を三宝(さんぼう)に供養し給(たま)ふ。いづれもいづれも功徳にならざるはなし。但(ただ)し時に随(したが)ひて勝劣(しょうれつ)浅深(せんじん)わかれて候(そうろう)。う(飢)へたる人には衣を あた(与))へたるよりも、食を あたへて候は いますこ(少)し功徳まさ(勝)る。こご(凍)へたる人には食を あたへて候よりも、衣は又まさる。春夏に小袖を あたへて候よりも、秋冬に あたへぬれば 又 功徳一倍なり。これをもって一切は し(知)りぬべし。たゞ(但)し 此(こ)の事に をい(於)ては四季を論ぜず、日月(にちがつ)を たゞさず、ぜに(銭)・こめ(米)・かたびら(帷子)・きぬこそで(衣小袖)、日々月々に ひまなし。例(れい)せば びんばしらわう(頻婆娑羅王)の教主釈尊に日々日々に五百輌(りょう)の車を をく(送)り、阿育大王(あそか だいおう)の十億の沙金(さきん)を鶏頭摩寺(けいずまじ)に せ(施)ゝしが ごと(如)し。大小こと(異)なれども志(こころざし)は かれ(彼)にも すぐ(勝)れたり。
(平成新編1294・御書全集1098・正宗聖典----・昭和新定[3]1937~1938・昭和定本[2]1604~1605)
[弘安01(1278)年11月29日(佐後)]
[真跡・大津本長寺外四ヶ所(40%以上70%未満現存)]
[※sasameyuki※]