何(いか)に況(いわ)んや法華経は釈尊は要当説真実(ようとうせつしんじつ[細雪注・妙法蓮華経方便品第二の御経文])と なのらせ給(たま)ひ、多宝仏は真実なりと御判(ごばん)を そ(添)へ、十方の諸仏は広長舌(こうちょうぜつ)を梵天(ぼんてん)につけて誠諦(じょうたい)と指(さ)し示し、釈尊は重ねて無虚妄(む こもう)の舌(した)を色究竟(しきくきょう)に付けさせ給ひて、後五百歳(ご ごひゃくさい)に一切の仏法の滅せん時、上行菩薩に妙法蓮華経の五字を も(持)たしめて謗法一闡提(いっせんだい)の白癩病(びゃくらいびょう)の輩(やから)の良薬(ろうやく)とせんと、梵・帝(たい)・日(にち)・月(がつ)・四天(してん)・竜神 等に仰せつ(付)けられし金言(きんげん)虚妄なるべしや。大地は反覆(はんぷく)すとも、高山(こうざん)は頽落(たいらく)すとも、春の後に夏は来たらずとも、日は東へ かへ(還)るとも、月は地に落つるとも 此の事は一定(いちじょう)なるべし。
(平成新編0843~0844・御書全集0265・正宗聖典0187・昭和新定[2]1243・昭和定本[2]1017)
[建治01(1275)年06月10日(佐後)]
[真跡・玉沢妙法華寺外四ヶ所 身延曾存(70%以上100%未満現存)]
[※sasameyuki※]