今 法華経と申すは一切衆生を仏に な(成)す秘術まします御経なり。所謂(いわゆる)地獄の一人(いちにん)・餓鬼の一人 乃至(ないし) 九界の一人を仏になせば、一切衆生 皆 仏になるべき ことはり(理)顕はる。譬(たと)へば竹の節(ふし)を一つ破(わ)りぬれば 余の節 亦(また)破るゝが如(ごと)し。囲碁と申すあそびに しちやう(征)と云(い)ふ事あり。一つの石 死ぬれば多くの石 死ぬ。法華経も又 此(かく)の如し。金(かね)と申すものは木草を失ふ用(ゆう)を備へ、水は一切の火を け(消)す徳あり。法華経も又 一切衆生を仏になす用 おはします。
(平成新編0815・御書全集1046・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1198・昭和定本[1]0943~0944)
[建治01(1275)年04月(佐後)]
[真跡・京都本圀寺外三ヶ所(10%未満現存) 身延曾存]
[※sasameyuki※]