仏に三十二相(そう)有り、皆 色法(しきほう)なり。最下の千輻輪(せんぷくりん)より 終はり無見頂相(むけんちょうそう)に至るまでの三十一相は、可見有対色(かけんうたいしき)なれば書きつべし作りつべし。梵音声(ぼんのんじょう)の一相は、不可見無対色(ふかけんむたいしき)なれば書くべからず作るべからず。仏 滅後は木画(もくえ)の二像あり。是(これ)三十一相にして梵音声か(欠)けたり。故(ゆえ)に仏に非(あら)ず。又 心法(しんぽう)か(欠)けたり。生身(しょうじん)の仏と木画の二像を対するに天地雲泥(うんでい)なり。何(なん)ぞ涅槃(ねはん)の後分(ごぶん)には生身の仏と、滅後の木画の二像と功徳斉等(さいとう)なりといふや。又 大瓔珞経(だいようらくきょう)には、木画の二像は生身の仏には をと(劣)れりと と(説)けり。
(平成新編0636・御書全集0468・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0916~0917・昭和定本[1]0791)
[文永09(1272)年"文永10(1273)年""文永01(1264)年"(佐後?)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]