実を も(以)て勘(かんが)へ申さば、二乗作仏(にじょうさぶつ)な(無)きならば、九界の衆生 仏に な(成)べからず。法華経の心は法爾(ほうに)の ことはり(理)として一切衆生に十界を具足(ぐそく)せり。譬(たと)へば 人(ひと)一人は必ず四大を以てつくれり。一大か(欠)けなば人にはあらじ。一切衆生のみならず、十界の依正(えしょう)の二法、非情の草木(そうもく)一微塵(いちみじん)に いたるまで 皆 十界を具足せり。二乗界 仏に ならずば余界の中の二乗界も仏になるべからず。
(平成新編0706・御書全集0521~0522・正宗聖典----・昭和新定[2]1030・昭和定本[1]0772)
[文永10(1273)年(佐後)]
[真跡・小湊誕生寺外二〇ヶ所(10%以上40%未満現存)]
[※sasameyuki※]