般泥■[=清-青+亘]経(はつないおんきょう)に云(い)はく「当来(とうらい)の世、仮りに袈裟(けさ)を被(き)て我が法の中に於(おい)て出家学道し、懶惰懈怠(らんだけだい)にして此等(これら)の方等契経(ほうどうかいきょう)を誹謗(ひぼう)すること有らん。当(まさ)に知るべし。此等は皆 是(これ)今日の諸(もろもろ)の異道の輩(やから)なり」等云云。此(こ)の経文を見ん者 自身を は(恥)づべし。今 我等が出家して袈裟をかけ懶惰懈怠なるは、是(これ)仏在世の六師外道が弟子なりと仏 記(しる)し給(たま)へり。法然(ほうねん)が一類、大日が一類、念仏宗・禅宗と号(ごう)して、法華経に捨閉閣抛(しゃへいかくほう)の四字を副(そ)へて制止を加へて、権経(ごんきょう)の弥陀(みだ)称名(しょうみょう)計(ばか)りを取り立て、教外別伝(きょうげべつでん)と号して法華経を月をさす指、只(ただ)文字を かぞ(数)ふるなんど笑ふ者は、六師が末流の仏教の中に出来(しゅったい)せるなるべし。うれ(憂)へなるかなや。
(平成新編0580~0581・御書全集0958~0959・正宗聖典----・昭和新定[1]0840・昭和定本[1]0614~0615)
[文永09(1272)年03月20日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]