無量義経に云(い)はく「四十余年(しじゅうよねん)未(いま)だ真実を顕(あら)はさず」と。法華経に云はく「世尊は法 久しくして 後 要(かなら)ず当(まさ)に真実を説きたまふべし[細雪注・方便品第二の御経文]」と。多宝仏は「皆 是(これ)真実なり[細雪注・見宝塔品第十一の御経文]」とて、法華経に かぎ(限)りて即身成仏ありと さだ(定)め給(たま)へり。爾前(にぜん)経に いかやう(如何様)に成仏ありとも と(説)け、権宗(ごんしゅう)の人々無量に い(言)ひくる(狂)ふとも、たゞ ほうろく(焙烙)千に つち(槌)一つなるべし。「法華折伏破権門理(ほっけしゃくぶくはごんもんり)」とは これ(是)なり。尤(もっと)も いみじく秘奥(ひおう)なる法門なり。
(平成新編1359・御書全集1556・正宗聖典ーーーー・昭和新定[3]1971・昭和定本[2]1634)
[弘安02(1279)年04月20日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]