『六難九易抄(妙法尼御前御返事)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

南無妙法蓮華経と唱ふる計(ばか)りにて仏に な(成)るべしやと、此(こ)の御不審(ごふしん)の所詮(しょせん)に候(そうろう)。一部の肝要、八軸(じく)の骨髄(こつずい)にて候。人の身の五尺(しゃく)六尺の たましひ(神)も一尺の面(かお)に あらはれ、一尺の かほ(面)の たましいも一寸の眼(まなこ)に おさ(収)まり候。又(また)日本と申す二つの文字に、六十六箇国(かこく)の人畜(にんちく)・田畠・上下・貴賎(きせん)・七珍・万宝 一つも か(欠)くる事 候(そうら)はず収(おさ)めて候(そうろう)。其(そ)の ごと(如)く 南無妙法蓮華経の題目の内には一部八巻・二十八品・六万九千三百八十四の文字 一字も も(漏)れず か(欠)けず おさ(収)めて候。されば経には題目たり、仏には眼たりと、楽天も の(述)べられて候。記の八に「略して経題を挙(あ)ぐるに玄に一部を収む」と妙楽も釈し おはしまし候。心は略して経の名計りを挙ぐるに、一部を収むと申す文(もん)なり。一切の事につけて 所詮 肝要と申す事あり。
(平成新編1243・御書全集1402・正宗聖典----・昭和新定[2]1850~1851・昭和定本[2]1527)
[弘安01(1278)年07月03日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]