日本国は一向(いっこう)に法華経の国なり。例(れい)せば舎衛国(しゃえこく)の一向に大乗なりしが如(ごと)きなり。又(また)天竺(てんじく)には一向に小乗の国、一向に大乗の国、大小兼学の国も之(これ)有り。日本国は一向に大乗の国なり。大乗の中にも法華経の国たるべきなり。[瑜伽論(ゆがろん)・肇公記(じょうこうき)・聖徳太子・伝教大師・安然等の記に之有り]是(これ)国を知れる者なり。而(しか)るに当世の学者 日本国の衆生に一向に小乗の戒律を授け、一向に念仏者等と成(な)すは、譬(たと)へば宝器(ほうき)に穢食(えじき)を入れたるが如し等と云云。[宝器の譬(たとえ)は伝教大師の守護章に在(あ)り]
(平成新編0272・御書全集0440~0441・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0425・昭和定本[1]0244)
[弘長02(1262)年02月10日(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]