南無妙法蓮華経とだに唱へ奉(たてまつ)りたらましかば、速(すみ)やかに仏に成るべかりし衆生どもの、五戒十善 等の わずかなる戒を以(もっ)て、或(あるい)は天に生まれて大梵天・帝釈(たいしゃく)の身と成りて いみじき事と思ひ、或時(あるとき)は人に生まれて諸(もろもろ)の国王・大臣・公卿(くぎょう)・殿上人 等の身と成りて是程(これほど)の たの(楽)しみなしと思ひ、少なきを得て足(た)りぬと思ひ悦(よろこ)びあ(合)へり。是(これ)を仏は夢の中の さか(栄)へ まぼろし(幻)のたのしみなり、唯(ただ)法華経を持(たも)ち奉り速やかに仏に な(成)るべしと説き給(たま)へり。
(平成新編0048~0049・御書全集0386・正宗聖典----・昭和新定[1]0130・昭和定本[1]0047)
[建長07(1255)年"文永01(1264)年"(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]