大難を もち(以)てこそ、法華経を し(知)りたる人とは申すべきに、天台大師・伝教大師こそ法華経の行者とは みへて候(そうら)ひしかども、在世のごと(如)くの大難なし。ただ南三北七・南都七大寺の小難なり。いま(未)だ国主かたき(敵)とならず、万民つるぎ(剣)を にぎ(握)らず、一国悪口(あっく)を は(吐)かず。滅後に法華経を信ぜん人は在世の大難よりも すぐ(勝)べく候(そうろう)なるに、同じほどの難だにも来たらず、何(いか)に況(いわ)んや すぐ(勝)れたる大難多難をや。
(平成新編1122・御書全集1538・正宗聖典----・昭和新定[2]1658~1659・昭和定本[2]1307~1308)
[建治03(1277)年05月15日(佐後)]
[真跡・大石寺外五ヶ所(10%以上40%未満現存)、古写本・日興筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]