竜樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)の大論に云(い)はく「譬(たと)へば大薬師の能(よ)く毒を以(もっ)て薬と為(な)すが如(ごと)し」云云。此の文(もん)は大論に法華経の妙の徳を釈(しゃく)する文なり。妙楽大師の釈に云はく「治し難(がた)きを能く治す、所以(ゆえ)に妙と称(しょう)す」等云云。総じて成仏往生の な(成)りがた(難)き者 四人あり。第一には決定性(けつじょうしょう)の二乗、第二には一闡提人(いっせんだいにん)、第三には空心の者、第四には謗法の者なり。此等(これら)を法華経に をい(於)て仏に なさせ給(たま)ふ故(ゆえ)に法華経を妙とは云ふなり。
(平成新編0357~0358・御書全集0944・正宗聖典----・昭和新定[1]0540~0541・昭和定本[1]0398)
[文永03(1266)年01月06日(佐前)]
[真跡・水戸久唱寺他十一ヶ所(10%以上40%未満現存)、古写本・日目筆 宮城一迫妙教寺]
[※sasameyuki※]