此(こ)の薬王品(やくおうほん)の大意(たいい)とは、此の薬王品は第七の巻(まき)、二十八品の中には第二十三の品なり。此の第一の巻に序品・方便品の二品有り。序品は二十八品の序なり。方便品より人記品(にんきほん)に至(いた)るまでの八品には、正(しょう)には二乗作仏(にじょうさぶつ)を明(あ)かし、傍(ぼう)には菩薩・凡夫の作仏を明かす。法師(ほっし)・宝塔・提婆(だいば)・勧持(かんじ)・安楽の五品は、上の八品を末代の凡夫の修行すべき様を説くなり。又、涌出品(ゆじゅっぽん)は寿量品の序なり。分別功徳品(ふんべつくどくほん)より十二品は、正には寿量品を末代の凡夫の行ずべき様、傍には方便品等の八品を修行すべき様を説くなり。然(しか)れば此の薬王品は方便品等の八品、並びに寿量品を修行すべき様を説きし品なり。
(平成新編0347・御書全集1499・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0527・昭和定本[1]0337)
[文永02(1265)年(佐前)]
[真跡・保田妙本寺外三ヶ所(70%以上100%未満現存)]
[※sasameyuki※]