但(ただ)し妙法蓮華経皆是真実(かいぜしんじつ)の文(もん)を以(もっ)て迹門(しゃくもん)に於(おい)て爾前(にぜん)の得道(とくどう)を許すが故(ゆえ)に爾前得道の義 有りといふは、此(これ)は是(これ)迹門を爾前に対して真実と説くか。而(しか)も未(いま)だ久遠実成(くおんじつじょう)を顕(あら)はさず、是 則(すなわ)ち彼(か)の未顕真実の分域(ぶんいき)なり。所以(ゆえ)に無量義経に大荘厳(だいしょうごん)等の菩薩の四十余年(しじゅうよねん)の得益(とくやく)を挙(あ)ぐるを、仏の答ふるに未顕真実の言(みこと)を以てす。
(平成新編0179・御書全集0422・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0301・昭和定本[1]0143)
[正元01(1259)年(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]