爰(ここ)に日蓮 思ふやう、提婆品(だいばほん)を案ずるに提婆は釈迦如来の昔の師なり。昔の師は今の弟子なり。今の弟子は むかしの師なり。古今(ここん)能所(のうしょ)不二にして法華の深意を あらはす。されば悪逆の達多(だった)には慈悲の釈迦如来、師となり、愚癡(ぐち)の竜女には智慧の文殊、師となり、文殊・釈迦如来にも日蓮をと(劣)り奉(たてまつ)るべからざるか。日本国の男は提婆が ごと(如)く、女は竜女に あひに(似)たり。逆順ともに成仏を期(ご)すべきなり。是(これ)提婆品の意(こころ)なり。
(平成新編1360・御書全集1556~1557・正宗聖典ーーーー・昭和新定[3]1972・昭和定本[2]1635)
[弘安02(1279)年04月20日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]