法華経の第七の巻を見候(み そうら)へば「如来の滅後に於(おい)て仏の所説の経の因縁及び次第を知り義に随(したが)って実の如(ごと)く説かん。日月(にちがつ)の光明(こうみょう)の能(よ)く諸(もろもろ)の幽冥(ゆうみょう)を除くが如く、斯(こ)の人 世間に行じて能(よ)く衆生の闇を滅す」等云云。文(もん)の心は此(こ)の法華経を一字も一句も説く人は、必ず一代聖教(いちだい しょうぎょう)の浅深(せんじん)と次第とを能(よ)く能(よ)く弁(わきま)へたらむ人の説くべき事に候(そうろう)。譬(たと)へば暦(こよみ)の三百六十日を かんが(勘)うるに一日も相違(そうい)せば万日 倶(とも)に反逆すべし。三十一字(みそひともじ)を連(つら)ねたる一句一字も相違せば三十一字 共に歌にて有るべからず。
(平成新編1302・御書全集1521~1522・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1380~1381・昭和定本[1]0886)
[弘安01(1278)年"建治01(1275)年""文永12(1275)年02月"(佐後)]
[真跡・京都妙顕寺(70%以上100%未満現存)]
[※sasameyuki※]