又(また)法華経の薬王品に云(い)はく「能(よ)く是(こ)の経典を受持すること有らん者も亦復(また また)是(か)くの如(ごと)し。一切衆生の中に於(おい)て亦(また)為(こ)れ第一なり」等云云。文(もん)の意(こころ)は法華経を持(たも)つ人は男ならば何(いか)なる田夫(でんぷ)にても候(そうら)へ、三界(さんがい)の主たる大梵天王(だいぼんてんのう)・釈提桓因(しゃくだいかんにん)・四大天王・転輪聖王(てんりんじょうおう)・乃至(ないし)漢土日本の国主等にも勝(まさ)れたり。何(いか)に況(いわ)んや日本国の大臣・公卿(くぎょう)・源平の侍(さむらい)・百姓等に勝れたる事 申すに及ばず。女人(にょにん)ならば■(=情-青+喬)尸迦女(きょうしかにょ)・吉祥天女(きちじょうてんにょ)・漢の李(り)夫人・楊貴妃(ようきひ)等の無量無辺の一切の女人に勝れたりと説かれて候(そうろう)。
(平成新編0950・御書全集1378・正宗聖典----・昭和新定[2]1430・昭和定本[2]1139)
[建治02(1276)年02月17日(佐後)]
[真跡・京都妙覚寺外一ヶ所(10%未満現存)]
[※sasameyuki※]