『諸法実相抄』(佐後)(秘) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

さてこそ諸法と十界を挙(あ)げて実相(じっそう)とは説かれて候(そうら)へ。実相と云(い)ふは妙法蓮華経の異名なり。諸法は妙法蓮華経と云ふ事なり。地獄は地獄のすがた(相)を見せたるが実の相なり、餓鬼と変ぜば地獄の実のすがたには非(あら)ず。仏は仏のすがた、凡夫は凡夫のすがた、万法の当体のすがたが妙法蓮華経の当体なりと云ふ事を諸法実相とは申すなり。天台云はく「実相の深理、本有(ほんぬ)の妙法蓮華経」云云。此(こ)の釈の意(こころ)は実相の名言は迹門に主(ぬし)づけ、本有の妙法蓮華経と云ふは本門の上の法門なり。此の釈 能(よ)く能く心中に案じさせ給(たま)へ候(そうら)へ。
(平成新編0665・御書全集1359・正宗聖典----・昭和新定[2]0980・昭和定本[1]0725)
[文永10(1273)年05月17日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[秘・日蓮が相承の法門等]
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