『祈祷抄』(佐後)[曾存] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 はんよき(范 於期)と云(い)ひしもの(者)けいか(荊 軻)に頭(くび)を取らせ、きさつ(季 札)と云ひしもの徐(じょ)の君が塚に刀をか(懸)けし、約束を違(たが)へじがため(為)なり。此等(これら)は震旦(しんだん)辺土のえびす(夷)の如(ごと)くなるものどもだにも、友の約束に命をも亡ぼし、身に代(か)へて思ふ刀をも塚に懸くるぞかし。まして諸大菩薩は本(もと)より大悲代受苦の誓(ちか)ひ深し。仏の御諫(おいさ)めなしとも いか(争)でか法華経の行者を捨て給(たま)ふべき。其(そ)の上 我が成仏の経たる上、仏 慇懃(おんごん)に諫め給ひしかば、仏前(ぶつぜん)の御誓ひ丁寧なり。行者を助けたま(給)ふ事 疑ふべからず。
(平成新編0628・御書全集1350・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0902~0903・昭和定本[1]0676)
[文永09(1272)年(佐後)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]