而(しか)るに当世 日本国は人毎(ひとごと)に阿弥陀経並びに弥陀の名号(みょうごう)等を本(もと)として、法華経を忽諸(こつしょ)し奉(たてまつ)る。世間に智者と仰(あお)がるゝ人々、我も我も時機を知れり時機を知れりと存ぜられげに候(そうら)へども、小善を持(たも)ちて大善を打ち奉り、権経を以(もっ)て実経を失ふとが(失)は、小善 還(かえ)って大悪となる。薬変じて毒となる。親族 還って怨敵(おんてき)と成(な)るが如(ごと)し。難治(なんじ)の次第(しだい)なり。
(平成新編1137~1138・御書全集0344・正宗聖典----・昭和新定[2]1680・昭和定本[2]1313)
[建治03(1277)年06月(佐後)]
[真跡・小湊誕生寺外三〇ヶ所(10%以上40%未満現存)、古写本・日澄筆 北山本門寺 日法筆 岡宮光長寺]
[※sasameyuki※]