いにしへ(古)よりいま(今)にいた(至)るまで、をやこ(親子)のわか(別)れ、主従のわか(別)れ、いづれかつら(辛)からざる。されどもおとこ(夫)をんな(女)のわか(別)れほどたと(尊)げなかりけるはな(無)し。過去遠々(おんのん)より女の身となりしが、このおとこ(夫)娑婆(しゃば)最後のぜんちしき(善知識)なりけり。
ち(散)りしはな(花) をち(落)ちしこのみ(果)は さ(咲)きむす(結)ぶ いか(如何)にこ(故)人の かへ(返)らざるらむ
こぞ(去年)もう(憂)く ことし(今年)もつら(辛)き 月日かな おも(思)ひはいつも は(晴)れぬものゆへ(故)
法華経の題目とな(唱)へまいらせて、まいらせ候(そうら)へ。
(平成新編1045・御書全集1482~1483・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1556・昭和定本[2]1706~1707)
[建治02(1276)年11月02日"弘安02(1279)年11月02日"(佐後)]
[古写本・日興筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]