『報恩抄』(佐後)[曾存・古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

天台大師の専(もっぱ)ら経文を師として一代の勝劣をかんが(勘)へしがごと(如)く一切経を開きみるに、涅槃経と申す経に云はく「法に依(よ)って人に依らざれ」等云云。依法(えほう)と申すは一切経、不依人(ふえにん)と申すは仏を除き奉(たてまつ)りて外(ほか)の普賢菩薩(ふげんぼさつ)・文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)乃至(ないし)上(かみ)にあ(挙)ぐるところの諸の人師(にんし)なり。此(こ)の経に又(また)云はく「了義経(りょうぎきょう)に依って不了義経に依らざれ」等云云。此の経に指すところ了義経と申すは法華経、不了義経と申すは華厳経・大日経・涅槃経等の已今当(いこんとう)の一切経なり。されば仏の遺言を信ずるならば専ら法華経を明鏡として一切経の心をばし(知)るべきか。
(平成新編1000・御書全集0294・正宗聖典0228・昭和新定[2]1486~1487・昭和定本[2]1194)
[建治02(1276)年07月21日(佐後)]
[真跡・池上本門寺外五ヶ所(10%未満現存) 身延曾存、古写本・日舜筆 富士大石寺 日乾筆 京都本満寺]
[※sasameyuki※]