『単衣抄(ひとえぎぬしょう・上野殿御返事)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

法華経の第四(だいし)に云(い)はく「如来の現在にすら猶(なお)怨嫉(おんしつ)多し」等云云。第五に云はく「一切世間怨(あだ)多くして信じ難(がた)し」等云云。天台大師も恐(おそ)らくはいま(未)だ此(こ)の経文をばよ(読)み給(たま)はず、一切世間皆(みな)信受せし故(ゆえ)なり。伝教大師も及び給ふべからず、況滅度後(きょうめつどご)の経文に符合(ふごう)せざるが故に。日蓮日本国に出現せずば如来の金言も虚(むな)しくなり、多宝(たほう)の証明(しょうみょう)もなにかせん。十方の諸仏の御語(みことば)も妄語(もうご)となりなん。仏滅後(めつご)二千二百二十余年、月氏(がっし)・漢土(かんど)・日本に、一切世間多怨難信(たおんなんしん)の人な(無)し。日蓮なくば仏語(ぶつご)既(すで)に絶(た)えなん。
(平成新編0904・御書全集1514・正宗聖典----・昭和新定[2]1342・昭和定本[2]1106~1107)
[建治01(1275)年08月(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]