『乙御前御消息』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

一乗法華経と申(もう)す経も又(また)是(か)くの如(ごと)し。提婆達多(だいばだった)と申すは閻浮(えんぶ)第一の大悪人なれども、法華経にして天王如来(てんのうにょらい)となりぬ。又阿闍世王(あじゃせおう)と申せしは父をころ(殺)せし悪王なれども、法華経の座に列(つら)なりて一偈(げ)一句の結縁衆(けちえんしゅ)となりぬ。竜女(りゅうにょ)と申せし蛇体(じゃたい)の女人(にょにん)は、法華経を文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)説き給(たま)ひしかば仏になりぬ。其(そ)の上(うえ)仏説には悪世末法と時をさ(指)ゝせ給ひて、末代の男女(なんにょ)にをく(贈)らせ給ひぬ。此(これ)こそ唐船(からふね)の如くにて候(そうろう)一乗経にてはおはしませ。
(平成新編0895・御書全集1218~1219・正宗聖典----・昭和新定[2]1325・昭和定本[2]1096)
[建治01(1275)年08月04日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]