かつしられて候(そうろう)やう(様)に当世の高僧真言天台等の人々の御いの(祈)りは叶(かな)ふまじきよし前々に申し候上(うえ)、今年鎌倉の真言師等は去年より変成男子(へんじょうなんし)の法行をこな(行)わる。隆弁なんどは自歎する事かぎ(限)りなし。七人(→八?)百余人の真言師、東寺・天台の大法・秘法を尽くして行ぜしがついにむな(空)しくなりぬ。禅宗・律僧等又(また)一同に行ぜしかどもかな(叶)はず。日蓮が叶ふまじと申すとて不思議なりなんどをど(脅)し候(そうら)ひしかども皆(みな)むな(空)しくなりぬ。小事(しょうじ)たる今生(こんじょう)の御いのりの叶はぬを用(もっ)てし(知)るべし。大事たる後生(ごしょう)叶ふべしや。
(平成新編0430~0431・御書全集1268・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0642~0643・昭和定本[1]0449)
[文永07(1270)年12月"文永06(1269)年"(佐前)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]