但(ただ)し教外別伝(きょうげべつでん)と云(い)ふ事(こと)証拠なき事なり。所以(ゆえ)に一代聖教(いちだいしょうぎょう)を離れて別に仏法有りとは何(いず)れの経論に見えたるや。又(また)経論に依(よ)らずして師の言(ことば)に依(よ)るべきか。祖師(そし)と仏と何れを信ずべきや。若(も)し祖師を信ぜば、其(そ)の祖師の善・不善何(なに)に依(よ)りてか別(わか)つべき。悟・不悟亦(また)争(いか)でか知るべき。若し仏を信ぜば教外別伝と云ふべからず。仏(ほとけ)全く教外に別伝あ(有)りとは仰(おお)せられず。若しありとい(云)はゞ外道(げどう)の法なるべし、天魔の所説(しょせつ)、正法(しょうぼう)破滅の源(みなもと)なり。
(平成新編0333・御書全集ーーーー・正宗聖典----・昭和新定[1]0514・昭和定本[3]2047~2048)
[文永01(1264)年(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]