何(いか)に況(いわ)んや世(よ)漸(ようや)く五濁(ごじょく)の盛(さか)んになりて候(そうろう)をや。況んや世末代(まつだい)に入(い)りて法華経をかりそめにも信(しん)ぜん者の人にそね(嫉)みねた(妬)まれん事はおびたゞ(夥)しかるべきか。故(ゆえ)に法華経に云(い)はく「如来の現在にすら猶(なお)怨嫉(おんしつ)多し、況んや滅度の後をや」云云。始めに此(こ)の文(もん)を見候(そうら)ひし時は、さしもやと思ひ候ひしに、今こそ仏の御言(みことば)は違(たが)はざりけるものかなと、殊(こと)に身に当たって思(おも)ひ知られて候(そうら)へ。
(平成新編0265~0266・御書全集0936・正宗聖典----・昭和新定[1]0416・昭和定本[1]0235)
[弘長02(1262)年01月16日(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]