又(また)仏経漸(ようや)くわた(渡)り来たりし程(ほど)に、仏経の中に又勝劣浅深(しょうれつせんじん)候(そうら)ひけり。所謂(いわゆる)小乗経・大乗経、顕経・密経、権経・実経なり。譬(たと)へば一切の石は金(こがね)に対すれば一切の金に劣れども、又金(こがね)の中にも重々あり。一切の人間の金は閻浮檀金(えんぶだんごん)に及び候はず。閻浮檀金は梵天(ぼんてん)の金には及(およ)ばざるがごと(如)く、一切経は金の如くなれども又(また)勝劣浅深あるなり。
(平成新編0895・御書全集1218・正宗聖典----・昭和新定[2]1324・昭和定本[2]1095)
[建治01(1275)年08月04日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]