三に時(じ)とは、仏教を弘(ひろ)めん人は必ず時(とき)を知るべし。譬(たと)へば農人(のうにん)の秋冬田(た)作るに種と地と人の功労(こうろう)とは違(たが)はざれども一分(いちぶん)も益(やく)無く還(かえ)って損(そん)す、一段を作る者は少損(しょうそん)なり、一町(ちょう)二町等の者は大損(だいそん)なり、春夏耕作(こうさく)すれば上中下に随(したが)って皆分々(ぶんぶん)に益有(あ)るが如(ごと)し。仏法も亦復(またまた)是(か)くの如し。時を知らずして法を弘(ひろ)むれば益無(な)き上(うえ)還って悪道(あくどう)に堕(だ)するなり。
(平成新編0270・御書全集0439・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0423・昭和定本[1]0242)
[弘長02(1262)年02月10日(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]