又(また)仏教を弘(ひろ)むるは仏の御使(おんつか)ひなり。随(したが)って仏の弟子の譲(ゆず)りを得る事(こと)各別(かくべつ)なり。正法千年に出(い)でし論師、像法千年に出(い)ずる人師(にんし)等は、多くは小乗・権大乗(ごんだいじょう)・法華経の或(あるい)は迹門、或は枝葉(しよう)を譲られし人々なり。いま(未)だ本門の肝心(かんじん)たる題目を譲られし上行菩薩、世に出現し給(たま)はず。此(こ)の人(ひと)末法に出現して、妙法蓮華経の五字を一閻浮提(いちえんぶだい)の中(うち)、国ごと人ごとに弘むべし。例(れい)せば当時日本国に弥陀(みだ)の名号(みょうごう)の流布(るふ)しつるが如(ごと)くなるべきか。
(平成新編0966・御書全集1238~1239・正宗聖典----・昭和新定[2]1454・昭和定本[2]1164~1165)
[建治02(1276)年閏03月05日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]