『法蓮抄(烏竜遺竜御書)』(佐後)[曾存] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

是程(これほど)に貴(とうと)き教主釈尊を一時二時(いっときにとき)ならず、一日二日ならず、一劫(いっこう)が間(あいだ)掌(たなごころ)を合(あ)はせ両眼を仏の御顔にあて、頭(こうべ)を低(た)れて他事(たじ)を捨て、頭の火を消(け)さんと欲(ほっ)するが如(ごと)く、渇(かっ)して水ををも(思)ひ飢(う)ゑて食を思ふがごとく、間(ひま)無く供養し奉(たてまつ)る功徳よりも、戯論(けろん)に一言(いちごん)継母(ままはは)の継子(ままこ)をほ(讃)むるが如く、心ざしな(無)くとも末代の法華経の行者を讃(ほ)め供養せん功徳は、彼(か)の三業相応(さんごうそうおう)の信心にて、一劫が間生身(しょうじん)の仏を供養し奉るには、百千万億倍す(過)ぐべしと説き給(たま)ひて候(そうろう)。これを妙楽大師は福過十号(ふくかじゅうごう)とは書かれて候なり。十号と申(もう)すは仏の十の御名(みな)なり。十号を供養せんよりも、末代の法華経の行者を供養せん功徳は勝るとか(書)ゝれたり。妙楽大師は法華経の一切経に勝れたる事を二十あつ(集)むる其(そ)の一(ひとつ)なり。已上(いじょう)。
(平成新編0813・御書全集1044・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1195~1196・昭和定本[1]0941)
[建治01(1275)年04月(佐後)]
[真跡・京都本圀寺外三ヶ所(10%未満現存) 身延曾存]
[※sasameyuki※]