『聖人知三世事(富木殿御返事)』(佐後)[真跡・古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 問(と)うて云(い)はく、何(なん)ぞ汝(なんじ)を毀(そし)る人頭破七分(ずはしちぶん)無(な)きや。答(こた)へて云はく、古昔(こしゃく)の聖人(しょうにん)は仏を除きたてまつ(奉)りて已外(いげ)、之(これ)を毀る人頭破(ずは)但(ただ)一人二人なり。今(いま)日蓮を毀呰(きし)する事の非(とが)は一人二人に限るべからず。日本一国一同に同じく破(やぶ)るゝなり。所謂(いわゆる)正嘉(しょうか)の大地震文永(ぶんえい)の長星は誰が故(ゆえ)ぞ。日蓮は一閻浮提(いちえんぶだい)第一の聖人(しょうにん)なり。上一人(かみいちにん)より下万民(しもばんみん)に至(いた)るまで之を軽毀(きょうき)して刀杖(とうじょう)を加(くわ)へ流罪(るざい)に処(しょ)するが故(ゆえ)に、梵(ぼん)と釈(しゃく)と日月(にちがつ)四天と隣国(りんごく)に仰(おお)せ付(つ)けて之(これ)を逼責(ひっせき)するなり。大集経(だいしっきょう)に云はく、仁王(にんのう)経に云はく、涅槃経(ねはんぎょう)に云はく、法華経に云はく。設(たと)ひ万祈(ばんき)を作(な)すとも日蓮を用(もち)ひざれば必ず此(こ)の国(くに)今の壱岐(いき)・対馬(つしま)の如(ごと)くならん。
(平成新編0748~0749・御書全集0974・正宗聖典----・昭和新定[2]1091・昭和定本[1]0843)
[文永11(1274)年11月"建治01(1275)年"(佐後)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)、古写本・信伝筆"日澄筆" 北山本門寺]
[※sasameyuki※]