又(また)摩訶止観(まかしかん)一部には十重顕観(けんかん)を立てゝ是(これ)を通(つう)じ給(たま)へり。
一に待教(たいきょう)立観。爾前本迹の三教を破(は)して不思議実理の妙法蓮華経の観を立つ。文(もん)に云(い)はく「円頓(えんどん)とは初めより実相(じっそう)を縁(えん)す」云云。迹門をば理具(りぐ)の一念三千と云(い)ふ、脱益(だっちゃく)の法華は本迹共(とも)に迹なり。本門をば事行の一念三千と云ふ、下種の法華は独一本門なり。是(これ)を不思議実理の妙観(みょうかん)と申(もう)すなり。
(平成新編1678・御書全集0872・正宗聖典0344・昭和新定[3]2690~2691・昭和定本[-]----)
[弘安05(1282)年10月11日(佐後)]
[古写本・日時筆 富士大石寺]
[秘・本門立行の血脈之を注す]
[※sasameyuki※]