『上野殿御消息(本門取要抄)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

一に父母の恩を報(ほう)ぜよとは、父母の赤白二■(=清-青+帝)(にてい)和合(わごう)して我が身となる。母の胎内(たいない)に宿(やど)る事、二百七十日 九月(くかつき)の間、三十七度死(し)ぬるほど(程)の苦しみあり。生み落とす時、た(堪)えがた(難)しと思ひ念ずる息(いき)、頂(いただき)より出(い)づる煙(けむり)梵天(ぼんてん)に至(いた)る。さて生み落とされて乳(ちち)をの(飲)む事(こと)一百八十余石(こく)。三年が間は父母の膝(ひざ)に遊び、人とな(成)りて仏教を信ずれば、先(ま)づ此(こ)の父と母との恩を報ずべし。父の恩の高き事須弥山(しゅみせん)も猶(なお)ひき(低)し。母の恩の深き事大海(たいかい)還(かえ)って浅し。相構(あいかま)へて父母の恩を報ずべし。
(平成新編0922・御書全集1527・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1396・昭和定本[2]1125~1126)
[建治01(1275)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]