返す返す穏便(おんびん)にして、あだ(怨)みうら(恨)むる気色(けしき)なくて、身をやつし、下人(げにん)をもぐ(具)せず、よ(良)き馬にもの(乗)らず、のこぎり(鋸)・かなづち(鎚)手にも(持)ちこし(腰)につけて、つね(常)にえ(笑)めるすがた(姿)にておわすべし。此(こ)の事(こと)一事もたが(違)へさせ給(たま)ふならば、今生(こんじょう)には身をほろ(滅)ぼし、後生(ごしょう)には悪道(あくどう)に堕(お)ち給ふべし。返す返す法華経うら(恨)みさせ給ふ事なかれ。恐々。
(平成新編1558・御書全集1107・正宗聖典----・昭和新定[3]2232・昭和定本[2]1869)
[弘安04(1281)年05月26日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]