『立正安国論』(佐前)[真跡(断片)・古写本] | 細雪の物置小屋

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御宗祖御開山遺文DBを中心に投稿します。
[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 客(きゃく)色を作(な)して曰(いわ)く、後漢の明帝(めいてい)は金人(きんじん)の夢を悟(さと)りて白馬(はくば)の教(きょう)を得(え)、上宮太子(じょうぐうたいし)は守屋(もりや)の逆を誅(ちゅう)して寺塔(じとう)の構(かま)へを成(な)す。爾(しか)しより来(このかた)、上一人(かみいちにん)より下万民(しもばんみん)に至(いた)るまで仏像を崇(あが)め経巻(きょうかん)を専(もっぱ)らにす。然(しか)れば則(すなわ)ち叡山(えいざん)・南都(なんと)・園城(おんじょう)・東寺(とうじ)・四海(しかい)・一州・五畿(ごき)・七道(しちどう)に、仏経(ぶっきょう)は星のごと(如)く羅(つら)なり、堂宇(どうう)雲のごとく布(し)けり。■(=愁-心+鳥)子(しゅうし)の族(やから)は則(すなわ)ち鷲頭(じゅとう)の月を観(かん)じ、鶴勒(かくろく)の流(たぐい)は亦(また)鶏足(けいそく)の風(ふう)を伝(つた)ふ。誰(たれ)か一代(いちだい)の教(きょう)を褊(さみ)し三宝(さんぼう)の跡を廃(はい)すと謂(い)はんや。若(も)し其(そ)の証有(あ)らば委(くわ)しく其の故(ゆえ)を聞かん。
 主人喩(さと)して曰く、仏閣(ぶっかく)甍(いらか)を連(つら)ね経蔵(きょうぞう)軒(のき)を並べ、僧は竹葦(ちくい)の如(ごと)く侶(りょ)は稲麻(とうま)に似(に)たり。崇重(そうじゅう)年(とし)旧(ふ)り尊貴(そんき)日(ひ)に新(あら)たなり。但(ただ)し法師(ほっし)は諂曲(てんごく)にして人倫(じんりん)を迷惑し、王臣(おうしん)は不覚(ふかく)にして邪正(じゃしょう)を弁(わきま)ふること無し。
(平成新編0237~0238・御書全集0020~0021・正宗聖典0056・昭和新定[1]0371・昭和定本[1]0213)
[文応01(1260)年07月16日"文応01(1260)年07月"(佐前)]
[真跡・中山法華経寺(70%以上100%未満現存)、古写本・日興筆 富士大石寺 日興筆 玉沢妙法華寺]
[※sasameyuki※]