又云(い)はく「而(しか)るに日蓮偏(ひとえ)に法華一部に執(しゅう)して諸余(しょよ)の大乗を誹謗(ひぼう)す」云云。無量義経に云はく「四十余年未顕真実」と。法華経に云はく「要当説真実」と。又云はく「宣示顕説(せんじけんぜつ)」と。多宝仏証明(しょうみょう)を加(くわ)へて云はく「皆是真実」と。十方の諸仏は「舌相至梵天(ぜっそうしぼんてん)」と云ふ云云。已今当(いこんとう)の三説を非毀(ひき)して法華経一部を讃歎するは釈尊の金言なり、諸仏の傍例なり、敢(あ)へて日蓮が自義に非(あら)ず。其(そ)の上此(こ)の難は去(い)ぬる延暦(えんりゃく)・大同・弘仁の比(ころ)、南都の徳一大師が伝教大師を難破(なんぱ)せし言(ことば)なり。其の難已(すで)に破れて法華宗を建立(こんりゅう)し畢(おわ)んぬ。
(平成新編0473・御書全集0180・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0712・昭和定本[1]0498)
[文永08(1271)年07月"文永08(1271)年"(佐前?)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]