抑(そもそも)日蓮は日本国をたす(助)けんとふか(深)くおも(思)へども、日本国の上下万人一同に、国のほろ(亡)ぶべきゆへ(故)にや用(もち)ひられざる上、度々(たびたび)あだ(怨)をなさるれば力をよ(及)ばず山林(さんりん)にまじ(交)はり候(そうら)ひぬ。大蒙古国(だいもうここく)よりよ(寄)せて候(そうろう)と申せば、申せし事を御用(おもち)ひあらばいか(如何)になんどあは(哀)れなり。皆人(ひと)の当時のゆき(壱岐)つしま(対馬)のやう(様)にな(成)らせ給(たま)はん事、おも(思)ひやり候(そうら)へばなみだ(涙)もと(止)まらず。
(平成新編0745~0746・御書全集1509・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1087・昭和定本[1]0836)
[文永11(1274)年11月11日(佐後)]
[古写本・日興筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]