『破良観等御書』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 今の真言師・念仏者・禅・律等の人々並びに此(これ)を御帰依(ごきえ)ある天子並びに将軍家、日本国の上下万人は、法華経の強敵(ごうてき)となる上、一乗の行者の大怨敵(だいおんてき)となりぬ。されば設(たと)ひ一切経を覚(さと)り、十方の仏に帰依し、一国の堂塔を建立(こんりゅう)し、一切衆生に慈悲ををこすとも、衆流(しゅる)大海に入(い)りてかんみ(鹹味)となり、衆鳥須弥山(しゅみせん)に近づきて同色(どうしき)となるがごと(如)く、一切の大善変(へん)じて大悪となり、七福かへりて七難を(起)こり、現在眼前には他国のせ(責)めきび(厳)しく、自身は兵(つわもの)にやぶられ、妻子は敵にと(捕)られて後生(ごしょう)には無間大城(むけんだいじょう)に堕(お)つべし。此(これ)をもってをも(思)うに、故(こ)弥四郎殿は設(たと)ひ大罪(たいざい)なりとも提婆(だいば)が逆(ぎゃく)にはす(過)ぐべからず。何(いか)に況(いわ)んや小罪なり。法華経を信(しん)ぜし人なれば無一不成仏(むいちふじょうぶつ)疑(うたが)ひなきものなり。
(平成新編1074~1075・御書全集1290・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1605~1606・昭和定本[2]1279)
[建治02(1276)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]