又(また)仏法には賢(かしこ)げなる様(よう)なる人なれども、時に依(よ)り機に依り国に依り前後の弘通(ぐつう)に依る事を弁(わきま)へざれば、身心(しんしん)を苦しめて修行すれども験(しるし)なき事なり。設(たと)ひ一向小乗流布の国に大乗をば弘通する事はあれども、一向大乗の国には小乗経をあなが(強)ちにい(忌)む事なり。し(強)ゐてこれを弘通すれば国もわづらひ、人も悪道(あくどう)まぬかれがた(難)し。
(平成新編1138・御書全集0344・正宗聖典----・昭和新定[2]1680・昭和定本[2]1313)
[建治03(1277)年06月(佐後)]
[真跡・小湊誕生寺外三〇ヶ所(10%以上40%未満現存)、古写本・日澄筆 北山本門寺 日法筆 岡宮光長寺]
[※sasameyuki※]