是(か)くの如(ごと)く仏法の邪正(じゃしょう)乱れしかば王法も漸(ようや)くつ(尽)きぬ。結句(けっく)は此(こ)の国(くに)他国にやぶられて亡国となるべきなり。此の事日蓮独(ひと)り勘(かんが)へ知れる故(ゆえ)に、仏法のため(為)王法のため、諸経の要文(ようもん)を集めて一巻の書をつくる。仍(よ)って故(こ)最明寺入道殿に奉(たてまつ)る。立正安国論と名づけき。其(そ)の書にくは(委)しく申したれども愚人は知りがたし。所詮現証を引いて申すべし。
(平成新編1280・御書全集0371・正宗聖典0291・昭和新定[3]1916~1917・昭和定本[2]1582)
[弘安01(1278)年09月(佐後)]
[古写本・日興筆 北山本門寺]
[※sasameyuki※]