仏滅後(めつご)一百年と申せしに月氏国(がっしこく)に阿育大王(あそかだいおう)と申せし王ましましき。一閻浮提(いちえんぶだい)八万四千の国を四分が一(いち)御知行(ごちぎょう)ありき。竜王をしたが(従)へ、鬼神を召(め)し仕(つか)はせ給(たま)ふ。六万の羅漢(らかん)を師として八万四千の石塔(せきとう)を立て、十万億の金(こがね)を仏に供養し奉(たてまつ)らんと誓(ちか)はせ給ひき。かゝる大王にてをはせし其(そ)の因位(いんい)の功徳をたづぬれば、たゞ土の餅(もち)一つ釈迦仏に供養し奉りし故(ゆえ)ぞかし。
(平成新編1363・御書全集1435・正宗聖典----・昭和新定[3]1977・昭和定本[2]1639)
[弘安02(1279)年05月02日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]