『大夫志殿御返事』(佐後)[真跡(断片)] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

三論宗の云(い)はく、道朗(どうろう)・吉蔵(きちぞう)は仏の使ひなりと。法相宗(ほっそうしゅう)の云はく、玄奘(げんじょう)・慈恩(じおん)は仏の使ひなりと。華厳宗の云はく、法蔵・澄観は仏の使ひなりと。真言宗の云はく、善無畏(ぜんむい)・金剛智・不空・恵果(けいか)・弘法等は仏の使ひなりと。
 日蓮之(これ)を勘(かんが)へて云はく、全く仏の使ひに非(あら)ず、全く大・小乗の使ひにも非ず。之を供養せば災(さい)を招(まね)き之を謗(ぼう)ぜば福を至(いた)さん。問(と)ふ、汝(なんじ)の自義(じぎ)か。答(こた)へて云はく、設(たと)ひ自義たりと雖(いえど)も有文・有義ならば何(なん)の科(とが)あ(有)らん。然(しか)りと雖も釈(しゃく)せる有り。伝教大師の云はく「■[=許-午+巨](なん)ぞ福を捨て罪を慕(した)ふ者あらんや」と云云。福を捨つるとは天台大師を捨つる人なり。罪を慕ふとは上に挙(あ)ぐる所の法相・三論・華厳・真言の元祖等なり。
(平成新編1521・御書全集1103~1104・正宗聖典----・昭和新定[3]2217・昭和定本[2]1851)
[弘安03(1280)年12月初旬"弘安03(1280)年12月""弘安03(1280)年"(佐後)]
[真跡・京都妙覚寺外四ヶ所(10%以上40%未満現存)]
[※sasameyuki※]