問うて云(い)はく、題目計(ばか)りを唱(とな)ふる証文(しょうもん)これ有(あ)りや。答へて云はく、妙法華経の第八に云はく「法華の名を受持(じゅじ)せん者、福量(はか)るべ(可)からず」と。正法華経(しょうほけきょう)に云はく「若(も)し此(こ)の経を聞きて名号(みょうごう)を宣持(せんじ)せば、徳(とく)量るべからず」と。添品(てんぽん)法華経に云はく「法華の名を受持せん者、福量るべからず」等云云。此等(これら)の文(もん)は題目計りを唱ふる福計るべからとみ(見)へぬ。一部八巻二十八品を受持読誦(どくじゅ)し、随喜(ずいき)護持(ごじ)等するは広(こう)なり。方便品寿量品等を受持し乃至護持するは略(りゃく)なり。但(ただ)一四句偈(くげ)乃至題目計りを唱へとな(唱)うる者を護持するは要(よう)なり。広略要の中には題目は要の内(うち)なり。
(平成新編0355・御書全集0942・正宗聖典----・昭和新定[1]0537・昭和定本[1]0394~0395)
[文永03(1266)年01月06日(佐前)]
[真跡・水戸久唱寺他十一ヶ所(10%以上40%未満現存)、古写本・日目筆 宮城一迫妙教寺]
[※sasameyuki※]